上肢挙上と広背筋

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――なぜ「硬い広背筋」では腕は上がらないのか

上肢挙上において、広背筋はしばしば
「腕を下げる筋」「邪魔をする筋」「硬いと挙がらない筋」
として扱われることが多い。

しかし、この理解は解剖学の一断面に過ぎない。
広背筋は単なる“肩関節を内転・内旋・伸展させる筋”ではなく、

進化的には「移動のための筋」
神経学的には「姿勢と上肢を統合する筋」

である。

本稿では、
「なぜ広背筋が上肢挙上に関与するのか」
「なぜ硬いと挙がらないのか」
「なぜ“使い方”が変わると勝手に緩むのか」
を、脳と進化の視点から再定義する。


1. 広背筋は「上肢の筋」ではない

まず決定的に重要な事実から整理する。

広背筋の特徴

  • 起始:胸椎・腰椎・仙骨・腸骨・下位肋骨

  • 停止:上腕骨

  • 支配神経:胸背神経(C6–8)

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